五月の俳句

ヒッチ俳句
ヒッチ俳句
4.6 هزار بار بازدید - پارسال - ◆今回の俳句00:00
◆今回の俳句
00:00 美しき五月微熱を憂しとせぬ 日野草城
01:18 皐月かなしのぎを強いる囲碁手合い 昆みき
02:17 しばらくは花嫁の母早苗月 永井千恵子
03:51 うれしさや小草影もつ五月晴 正岡子規
05:22 新茶汲むや終りの雫汲みわけて 杉田久女
06:23 鎌倉を生きて出でけむ初鰹 松尾芭蕉
07:43 目には青葉山ほととぎす初鰹 山口素堂
08:56 妹が子は穂麦の風にふとりけり 小林一茶
09:30 夏場所のはねし太鼓や川向う 松本たかし
10:04 掻き終へし代田へ筑波眠らせて 井坂景秋
10:42 濃く薄く奥ある色や谷若葉 炭太祇
#5月
#皐月
#五月

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四月の俳句
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#プレバト #俳句 #季語

◆一部文字起こし

五月の俳句を紹介します

美しき五月微熱を憂しとせぬ
季語は初夏の季語「五月」です
初夏とは5月頃のことですね
なんかややこしいんですけどちょっとややこしい理由後で言わせていただきます
子季語(季語の代わりに使える言葉)には五月来る 聖五月などがあります
日野草城に詠まれたこの俳句
句意(俳句の意味)は美しい五月だ 微熱があっても憂鬱だと思わせないという夏に向けたパワーのようなものがこもった俳句かと思います
五月とすると陽暦の5月のこと 今の暦と同じ5月のことということですね
ごがつと読めば初夏の季語となるんですがややこしいのが「さつき」との差なわけです
今までの月ごとの俳句の動画では例えば四月と卯月をセットで紹介してきました
なので今回は五月と皐月をセットで紹介することになるんですが今まででその違いが一番ややこしいですのでまずは五月の皐月の差について俳句を見ながら考えていきましょう

皐月かなしのぎを強いる囲碁手合い
季語は仲夏の季語「皐月」です
仲夏とは(現在の)6月頃の季語です
陰暦の5月のことを皐月というのは表しますので現在の暦にすると6月頃となるわけですね
句意(俳句の意味)は皐月だなあ 囲碁の手合いも自然と白熱していくとさせていただきました
物事に集中できる天候ということかと思うんですけれども遊びの囲碁にもついつい熱が入ってしのぎを強いるという俳句かと思います
先程ごがつといえば初夏の季語とさせていただきましたが今回はさつきと読めば仲夏の季語とさせていただきます
当たり前だろうっていう話なんですけれどもこの後どんどん複雑になってきますので前置きとして覚えておいてくださると嬉しいです

しばらくは花嫁の母早苗月
季語は6月頃の季語「早苗月」ですね 皐月の子季語となります
皐月には色々な異名があるんですね
早苗月もそうですし 雨月 多草月 五月雨月 橘月 月見ず月 この異名は全て皐月の子季語として使えます
そして注目していただきたいのが青文字 五月と書いてさつきと読むこれ!これです!
ごがつでは初夏と言いましたがさつきは仲夏でしたよね
そして五月と書いてさつきと読ませるこれは(さつきと読むので)6月頃の季語となるわけです 難しい
ですので先程から当たり前のことを書いてたんですがごがつと読ませれば初夏、さつきと読ませれば仲夏とここにかかってくるわけですね
句意(俳句の意味)はしばらくは花嫁の母か早苗月だとさせていただきました
花嫁に送り出す側なのか花嫁を迎える側なのかで読みが変わってきそうなこの俳句ですが花嫁という記述から分かるように結婚の俳句です
つまりジューンブライドなわけです
早苗月=仲夏=6月頃の季語なのでジューンブライドとなりますね
陽暦と陰暦のずれっていうのはややこしいですがもう一つごがつとさつきの差を表す俳句を紹介したいと思います

うれしさや小草影もつ五月晴
季語は6月頃の季語「五月晴」です
正岡子規のこの俳句
俳句の意味は嬉しいなあ 小さい草でさえ影を持つ日差しの五月晴れだとさせていただきました
すがすがしい晴れの日の一風景といった俳句なんですけれども
こちらさつきと読ませてますので仲夏の季語 6月頃の季語となるわけです
他にもさつきと読ませる季語っていうのは5月ではなくって6月頃の季語仲夏の季語となります
5月なのに6月なのっていう感じなんですけど
「さつきは仲夏」と覚えればいいと思います
なのでこの五月晴という言葉 5月の爽やかな晴れの一日っていう印象を持つ方が多いと思うんですけれども本来は梅雨の季節の晴れの日のことを指します
またごがつばれとか読ませることもあるわけですよね
そこがこんがらがってしまうと季語の意味も変わってくる場合があるということですが
今回は五月の俳句を紹介しているんですけれども今度さつきの俳句というのを特集しようと思いますのでそちらで五月(さつき)◯◯なんていう季語はたくさんあるわけですのでそちらを紹介したいと思います
ここまで五月と皐月の差について紹介してきました

新茶汲むや終りの雫汲みわけて
ここからは初夏の季語(5月頃の季語)を種類別に紹介していこうと思います
今回は生活・食べ物の季語「新茶」ですね
新茶の季節なんですね
句意(俳句の意味)は新茶汲みだなあ 終わりの方の雫も汲み分けているとしました
お茶の淹れ方ってありますよね
急須から少しずつ淹れていくっていう淹れ方
でその淹れ方をもう最後の最後の雫まで汲み分けて新茶を楽しむというような俳句かと思います
新茶汲みの場面しか書かれてないわけですけれども新茶の匂いが香り立ってくるようですね
また新茶の味まで表現してくれてそうなそんな五感に訴えかける俳句かなと思いました
雫にカメラが寄るっていうのも表現技法ですよね
お茶を飲みたくなるそんな杉田久女の俳句でした

鎌倉を生きて出でけむ初鰹
季語は動物・食べ物の季語「初鰹」です
俳句の意味は鎌倉を生きて出てきたのか この初鰹はとさせていただきました
松尾芭蕉に詠まれたこの俳句 江戸時代の俳句ということですね
初鰹は今の鎌倉や小田原辺りで盛んに獲られていたようです
それを生きたまま持ってきたらしいんですね
なのでその新鮮さに驚いている俳句がこの俳句だと思います
巷で徳川将軍に鰹が献上されたっていう噂が流れたら鰹のシーズンが開幕という合図だったという説もあります
初鰹っていうのは今の価値にして3~40万円位の値段になることがあってこれっていうのは最下級の武士の年収に相当するということでした
しかし江戸っ子たちはこれをこぞって食べたがったんですね
「初物を食べれば75日長生きできる」といった通説があったらしくて高いけれども鎌倉の初鰹絶対に食べたいっていう初夏だったわけですね
もう一つ初鰹についての俳句を紹介したいと思います

目には青葉山ほととぎす初鰹
こちらは季語が3つ出てきてるんですけれども夏が来たぜっていう夏といえばのものを詰め合わせた俳句になっています
句意(俳句の意味)は目には青葉が見え 山からはホトトギスの声が聞こえる 初鰹は美味しい夏が来たなぁとさせていただきました
上五(最初の5音)で視覚について言っています
中七(中盤の7音)では山から聞こえるホトトギスの声ということで聴覚について言っていますね
そして最後初鰹の味、味覚について言っています
あと嗅覚と触覚だけあれば五感感性ということなのでちょっと連句してみました
目には青葉山ほととぎす初鰹 新茶の香り午後は麦打
新茶も麦打も初夏の季語となっています
なんかこれ小学校の国語の授業で使えそうだなと思って面白い俳句でした
夏の詰め合わせ 夏の喜びをもう俳句にしたいんでしょうね
そんなエネルギーを感じる山口素堂の俳句でした

妹が子は穂麦の風にふとりけり
季語は天文の季語「麦の風」です
小林一茶のこの俳句
意味は妹の子は麦の風を受けてすくすくと太っていったとしました
麦の風という季語ですが「麦の秋風」という季語の子季語となります
初夏なのに秋がつくんですよ
なぜかというと麦にとっての実りの秋というのが初夏だからということですね
五月は麦にとっての秋なんですね

夏場所のはねし太鼓や川向う
季語は行事の季語「夏場所」です
相撲の夏場所ですね
子季語に五月場所があります
これさつき場所って読まないでくださいね(笑)
俳句の意味は夏場所の太鼓の音が川向こうから聞こえてくるなあとしました
松本たかしの俳句なんですが松本たかしの忌日が5月11日になります
たかし忌も5月の忌日の季語となっています
行事・忌日と珍しい5月の季語を紹介しました

掻き終へし代田へ筑波眠らせて
季語は地理の季語「代田」です
俳句の意味は田植えの準備のできた水田に筑波山が映っているとさせていただきました
代掻きの終わった田んぼのことを代田といい水を張るわけですね
水を張る期間というのは田植えまでのしばしの静寂の期間ということで眠らせるという表現が合ってくるのかなと思います
水田も一休みしているそしてそこに映る筑波山も眠っているようだという俳句かなと読ませていただきました

濃く薄く奥ある色や谷若葉
季語は植物の季語「若葉」です
俳句の意味は濃く薄く奥深い色味の若葉をつけた木々が谷間にあるなあとさせていただきました
若葉っていうのは関連季語めちゃくちゃ多いんですね
若葉の上に木の名前を付けるだけで初夏の季語となってしまいます
例えば萩若葉とか樟若葉とか柿若葉とか
なので若葉の関連季語だけでも一つの動画にできちゃうなと思いますので作ろうと思いました
また俳句に着目すると色の差・視覚の差っていうのを表現しているわけなんですけれども谷っていうのは温度差があるわけですよね
谷底には太陽も当たりにくいしじめじめしているしそういった温度の差とか日当たり条件の差みたいなものが変わってくるわけです
なので谷を見た時には濃い場所薄い場所というのが普通の林や森よりも分かれているわけですよね
視覚表現からその前提にある温度や明るさなどの条件というのが伝わってくる奥あるといってますが奥深い俳句だったなと思いました
これから5月になり俳句の季節区分では初夏となってきます
夏の訪れを感じながら俳句を作ってみてはいかがでしょうか
پارسال در تاریخ 1402/02/07 منتشر شده است.
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