係り結びの俳句

ヒッチ俳句
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1.4 هزار بار بازدید - 4 ماه پیش - ◆今回の俳句【係り結びとは】00:00
◆今回の俳句
【係り結びとは】
00:00 概要
【ぞ・なむ】
01:17 わが凭れる冬木ぞ空の真中指す 八木絵馬
03:29 苦しくも降り来る雨か三輪の崎狭野の渡りに家もあらなくに 長意吉麻呂
【や・か】
05:57 秋の空きのふや鶴を放ちたる 与謝蕪村
07:23 「や」と「か」の違い
【こそ】
08:08 仏性は白き桔梗にこそあらめ 夏目漱石
【添削!AI俳句!】
09:30 霧の中遠く鳴る鈴冬の夜 ChatGPT
10:30 添削案簡易ver
10:53 添削案ガッツリver
【ちょっと発展】
11:32 このあをき夜がはや今年ぞととよむ 上井正司
12:43 どかと解く夏帯に句を書けとこそ 高浜虚子 五百句
【ヒッチ俳句流俳句の作り方!】
14:00 香水の香ぞ鉄壁をなせりける 中村草田男
15:29 俳句の種
16:39 取れかけの螺子ぞ春愁曝しをる 布施貴也(ヒッチ俳句)
#係り結び

◆一部文字起こし

係り結びの俳句

皆さんこんにちはヒッチ俳句です
久しぶりの投稿なんですけれどもちょっと気持ちを病んでましてそれについては大絶賛治療中ですのでYouTubeの動画投稿を再開していこうと思います
今回は「係り結び」という文法に着目して俳句を紹介できたらと思います
皆さん係り結んでいるでしょうか
係り結べていない人もいるのではないでしょうか
中学生の時にこんな風に係り結び覚えたと思います
「ぞ・なむ・や・か・こそ」の時に文末の形が変化するよみたいな覚え方ですね
「ぞ・なむ・や・か」の時は文末が連体形「こそ」の時は文末が已然形になるという古典の文法と習った人が多いのではないでしょうか
このように特定の係助詞によって活用が特定される文法のことを係り結びというんですね
例えば夏目漱石はこんな俳句を詠んでます
仏性は白き桔梗にこそあらめ
めちゃくちゃ俳句っぽいなっていう感じなんですけど(笑)
今回はこの係り結びに着目して俳句を紹介していきます

わが凭れる冬木ぞ空の真中指す
季語は三冬の季語「冬木」です
三冬というのは冬全般で使える季語の季節区分のこと
動画内の緑の欄で季語についての簡単な紹介をしていますのでそちらもご参照ください
「ぞ・なむ・や・か・こそ」の「ぞ」が使われているこの俳句
句意(俳句の意味)は私が凭れる空の真ん中を指すまさにこの冬木だと冬木という言葉を強めているそんな効果があります
このように「ぞ・なむ・こそ」ですね
それには強意といって言葉を強める役割があります
元の形で俳句を読むと
わが凭れる冬木「は」空の真中指す
じゃなくて
この冬木こそが空の真ん中をビーンと指してるんだっていう風に意味を強めたいので冬木「ぞ」空の真中指すとしているんですね
少しわかりにくいんですけれどもこの「ぞ」を使った俳句の文面の方は「指す」が連体形になってるということです
少し中学の時の授業を思い出したでしょうか
続いて「なむ」の方を紹介します
使っている俳句が見当たりませんでしたので先ほどの俳句を変えてみます
わが凭れる冬木なむ空の真中指す
ですね
「ぞ」とほとんど同じ使われ方なんですが現代に行けば行くほどこの「なむ」というのを使った文章というのはかなり少なくなってきます
圧倒的に「ぞ」が多いですね
現代語にも「ぞ」っていうのがありますが「なむ」は廃れていったんですね
特に(係助詞の)「なむ」は願望の助動詞「なむ」と見分けにくいなんてことがありますので私が高校の時の古典のテストとかでねよく判別問題みたいの出たんですが「ぞ」「なむ」同じ意味で使われます
係り結び連体形や已然形に接続するということなんですが
じゃあなぜそうなのかということを少し紹介したいと思います


係り結びの歴史
さあ係り結びにはどんな歴史があるのでしょうか
少し紹介したいと思います
長忌寸奥麿という人が万葉集でこんな歌を詠んでるそうですね
苦しくも降り来る雨か三輪の崎狭野の渡りに家もあらなくに
この歌の意味は困ったことに雨降ってきちゃったなーって言ってるわけです
三輪の崎狭野の渡りっていうのは地名ですね
三輪の崎狭野の船着場のこの辺りに家もないのになあということですね
わ困ったなあ家もないこの見ず知らずの土地で雨降ってきちゃったなぁ侘しいなぁ妻に会いたいなっていう歌だそうです
ここに「振り来る雨か」と載っていますがこのように「ぞ・なむ・や・か・こそ」のもとになった言葉達っていうのは昔は本来の語順で使われていたそうですね
そしてこの「振り来る雨か」だったら「雨か降り来る」と倒置法的に表現されるようになったっていう歴史をもつみたいなんですよ
なのでこの「振り来る→雨」と雨に接続していた「来る」という動詞ありますよね
連体形ですよね
それが倒置したので連体形に主に接続するという形が残ったという歴史をもってるらしいんですね
へーっていう感じじゃないですか
もう形式的に「ぞ・なむ・や・か」は連体形って覚えた人は多いと思いますが国語教師でもここら辺説明できる人少ないなあと思って勉強になった話でした
こう覚えておくと覚えやすいですよね
身につきますよね
さらに豆知識もう一つ本居宣長が「ひも鏡(1771年)」という書籍で係り結びをまとめてるらしいんですね
えー本居宣長すげーなって思わされた事実でした
係り結びにまつわる助詞というのは万葉集以前にもうあってどんどんと倒置法的に表現されるようになって成立してきたんだということ
そしてそれを体系的に初めて示したのが本居宣長なんだよっていうこと
私も調べなければわからないそんな知識でした

秋の空きのふや鶴を放ちたる
与謝蕪村によって詠まれたこの俳句
秋の空という季語を使った俳句として有名です
「ぞ・なむ」を紹介したので
次は「や・か」を紹介したいと思います疑問や疑問を表す「や・か」という係助詞
えっ疑問?反語?と思った方いらっしゃるんじゃないでしょうか
(この俳句は)結構こんな意味で紹介されることが多いです
まっさらな秋の空だ。まさに昨日鶴を放ったのだ そんなまっさらな空だっていう感じで
昨日というのを強意しているという捉え方
この訳を多く見ると思うんですが
「や・か」というのは疑問や反語と言いました
なのでこんな読み方もあると思います
まっさらな秋の空だ。昨日鶴を放ったのかですね
いずれにしろまっさらな秋の空見て
「あもう渡り鳥行っちゃったんだな。一匹も(鶴が)いないね。清々しい秋の空だ」というような意味になると思います
元の形としては きのふを鶴を放ちた「り」とか
鶴を放ちたるきのふというのを倒置法的に表現したものだと思います
「たる」と連体形になっていますね


「や」と「か」の違いなんですけれども
「か」を使うときは現代語でも「誰か」「いつか」「どこか」など5W1Hを表す疑問語というのとセットで使われるそうです
共感しやすいですよね
なのでこの与謝蕪村の俳句を「か」で表すとしたら
「秋の空いつか鶴をば放ちたる」だとか
時じゃなくて場所でいいなら
「秋の空いづくにか鶴放ちたる」
なんていう風になるかもしれません
「ぞ・なむ」は強意、「や・か」は疑問!っていうふうに覚えておけばいいですね

仏性は白き桔梗にこそあらめ
夏目漱石の俳句です
句意(俳句の意味)は
仏や人の本質=仏性のことですね
それとは白い桔梗にこそあるのだろうと白き桔梗の中に仏性を見たという何とも文学的な一句です
元の形は仏性は白き桔梗に❌あり(⭕️あらむ)ですよね
「こそ」で強意してるわけですね
仏性は白き桔梗にこそあらめ
いいですよね
「こそ」は已然形で結びます
さあここまで係り結びを使った俳句を紹介してきましたがじゃあどうやったら係り結びを使って俳句が作れるのかということを動画の後半では考えていきたいと思います
昔の文法なので今では言葉遊び程度で俳人に詠まれたりすると思うんですけどじゃあどんな風に遊べばいいかとか
めちゃめちゃこの夏目漱石の俳句みたいに俳句っぽくなる文学っぽくなる表現だとも思いますので使えるようにもしていきましょう
まずは係り結び使うきっかけとして次のショートコーナーをご覧ください


添削!AI俳句!
このコーナーはChatGPTというAIが詠んだ俳句を視聴者の皆さんにコメント欄で添削していただくというコーナーです
今回の俳句はこちら
霧の中遠くなる鈴冬の夜
五七五で珍しくChatGPT君詠めてるんですが
このクリスマスなのかなっていう俳句の要素 いいですよね
鈴とか冬の夜とか まあ霧とかは「ん?」って感じなんですけど
ただしこのそれっぽい言葉羅列してるだけじゃないの?全体的にのっぺりしてるよ!っていう課題があると思います
今回の添削のコーナーなんですけれども「ぞ・なむ・や・か・こそ」係り結びに直してみてくださいというものです
こののっぺりした感じもね係り結べば少し改善するかもしれません
簡単な添削案がこちら

霧の中鈴や冬夜に遠く鳴る
霧の中で鳴り響くあの音は鈴なんじゃないかなっていう添削ですね
語順を変えて係り結ぶだけでもちょっと効果出そうかなと思ったんですが
もっとがっつり係り結びで添削してみました
そちらがこちら

冬の夜かの鈴音こそ響きけれ
ちょっとそれっぽく夏目漱石っぽくなったかなって感じなんですけど
今回はこんな風にそれっぽくなるように係り結んで言葉遊びしてみましょうという感じです
コメント欄にChatGPTの詠んだ俳句20句を置いておきますので皆さんどれか一つ選んで「係り結んで(爆)」それっぽく夏目漱石っぽくしてみてください
皆様の添削案お待ちしております
添削!AI俳句!のコーナーでした

このあをき夜がはや今年ぞととよむ
ここからは係り結びを使った俳句の少し発展した形というのを紹介していきます
この俳句について「とよむ」というのは鳴り響くとか騒ぐとかそういう意味ですね
俳句の意味はこの青みがかった夜が早くも今年だと騒いでいるとさせていただきました
今年ぞと今年を強めてるわけですけれども
この(「今年ぞ」という)文節は「とよむ」という動詞につながってるわけではなくって他の動詞が隠れている形ですね
はや今年と「なる」とかはや今年と「いふ」とかそんな動詞が隠れていると私は思いました
こんな風に「ぞ・なむ・や・か・こそ」を使った場合に連体形已然形になるべき動詞部分っていうのが省略されていることが多いです
そこに騙されちゃいけないっていうのはちょっとしたポイントかもしれませんね
皆さんはこの「今年ぞ」の後にどんな動詞部分が隠れていると思うでしょうか
もう一句見ていきましょう

どかと解く夏帯に句を書けとこそ
高浜虚子の俳句です
俳句の意味は
女はドカッとほどいた夏帯に「虚子先生!句をここに書いてね!」と確かに言ったとさせていただきました
鎌倉に行った時にそこで出会った女性に言われた言葉だそうで帯に俳句書いてあげるなんていう文化があったんですね
芸能人のサインみたいなことでしょうか
この女性の何でしょうね「横柄」とでもいいますか
そんな感じが「どか」とかそういうところに現れてますよね
一つ前の俳句で動詞部分が省略されることが多いよってことを言いましたが
書けとこそで終わってます
こちらも省略されている形ですね
どかと解く夏帯に句を書けとこそ「いへ」「たのめ」「いひけれ」など已然形で終わる動詞が隠れているはずですね
高浜虚子先生のこの俳句の意味を考えながらこその後にどんな動詞が来て已然形に活用するのかななんていう風に考えてもいいかもしれません
今回は「係り結び」という文法に着目して俳句を紹介してきました
皆さんも係り結びを使った俳句を是非作ってコメント欄で残していってください
中学生の時の国語の授業が懐かしいそんな「係り結び」の俳句でした!


チャンネル主 布施貴也へのお問い合わせは下記メールアドレスへお願いいたします。
[email protected]

#プレバト #俳句 #季語
4 ماه پیش در تاریخ 1402/12/21 منتشر شده است.
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