特集「キャッチ」 “やわらかい”うどんに隠された博多の気質

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14.2 هزار بار بازدید - 2 سال پیش - 特集「キャッチ」は福岡のソウルフードともいえる『うどん』についてです。博多のうどんは“やわらかい”のが特徴的です。コシの強さをウリにするうどんもある中で、なぜ博多ではやわらかいうどんが好まれるのか、その理由を探りました。福岡市の街で、うどんについて聞いてみました。■男性「やわめのうどんが好きですね。」■男性「やわらくて、コシがないのがおいしい。」博多のうどんといえば、その“やわらかさ”に特徴があります。そんな伝統的な博多うどんを求めやってきたのは、昭和26年創業の『因幡うどん』です。人気メニューは『ごぼう天うどん』(530円)で、あっさりしたスープにうどんがよく絡みます。■遠野キャスター「麺がもっちりしていて、やわらかいです。歯を使わなくても唇で切れそうなぐらい、それぐらいのやわらかさです。」なぜやわらかいうどんにしているのか、お店に立ち続けて40年、看板にもその写真が使われる、まさに“看板娘”の森口由紀子店長に聞きました。■因幡うどん渡辺通店・森口由紀子店長(81)「おいしいダシにいかにすばやくうどんが溶け込む、絡むように工夫して麺をやわらかくしています。」■遠野キャスター「たしかにレンゲで飲まなくても、ダシの味を感じました。」因幡うどんでは、ただやわらかいだけではなく、もちもちとした弾力を出すために『足踏み』も取り入れています。博多のうどんのもう一つの特徴が、提供時間の早さです。注文からメニューが届くまでの時間を見てみました。■来店客「梅あおさうどんの大盛り。」■店員「あおさの大盛り1つです!」■店員「お待たせしました。」提供までわずか約2分でした。その秘密は、『ゆで置き』です。通常、うどんをゆでる場合は10分以上かかりますが、事前にゆでておけば注文が入ったらさっと湯がくだけです。ゆで置きすることで提供時間を短くできるうえ、麺が水分を含み、よりやわらかくなるといいます。■森口店長「もともと博多は商人の街だから、気短な人が多いから、うどんと言われたらすぐ出せるように、ゆで置きのうどんを。お客さんに対して待たせないのが一番。」実はこの『ゆで置き』、博多を代表するもう一つの麺、『バリカタ』で知られるラーメンにも通ずる部分があるといいます。製麺の業界団体がまとめた冊子には、うどんの『ゆで置き』について「ラーメンが魚河岸の人たちが競りの前に腹ごしらえとして食べられていたため、ゆで時間の短縮のために細麺になったのと同様の理論なわけだ」という一節が記されています。より早く提供するという同じ目的から、博多ラーメンは『バリカタ』、博多のうどんは『やわやわ』と、正反対の麺が生まれたというのです。うどんのやわらかさの秘密をさらに探るべく訪れたのは、福岡市博多区の『春月庵』です。うどんやそばの作り方を日本に広めたとされる聖一国師が開いた承天寺のすぐそばにある、地元の人を中心に人気のお店です。お昼どきには行列ができます。■来店客「麺の香りというか、やわらかい麺含めて好きで、よく来ています。」■来店客「すごくおいしいです。(うどんの)発祥のというところで知ってはいたんですが、伺う暇がなくて、きょう初めて。」『春月庵』のうどんの麺を市販のものと比べてみると、茶色がかって見えます。■春月庵を運営する平和フーズ工業・土屋伸之専務「『中世博多うどん』といいまして。鎌倉時代初期から中世の時にこんなうどんを食べていたんだろうなというのを再現したのが、中世博多うどんです。」『春月庵』は明治23年、1890年に創業した博多で最も古い製麺所が経営する店です。承天寺由来のうどんを再現しようと、麺にはいまでは取り除かれる胚芽や薄皮が含まれています。そのため、茶褐色の麺になるのです。もちろん、博多らしくやわらかく、もちもちとした食感に仕上げています。博多のうどんのやわらかさについて、土屋専務は、“あるもの”が関係しているのではといいます。■土屋専務「水とかですかね。地域的な水の違いはあるのではと考えています。」関係しているのは水の硬さです。水の硬さは1リットルあたりに含まれるカルシウムとマグネシウムの量で決まり、120ミリグラムを超えると硬水、60ミリグラムより少ないものは軟水です。水道局によると、例えば北九州市は40~80ミリグラムと幅があります。一方、福岡市の場合は、市内全域で約40ミリグラムと水がやわらかいのです。■土屋専務「うどんは水がたくさん入りますし、湯がいても水を吸っていくので、水の影響は強いのではと思います。」やわらかい博多のうどんは、人、そして土地が育んだものでした。最新のニュースは
特集「キャッチ」は福岡のソウルフードともいえる『うどん』についてです。博多のうどんは“やわらかい”のが特徴的です。コシの強さをウリにするうどんもある中で、なぜ博多ではやわらかいうどんが好まれるのか、その理由を探りました。

福岡市の街で、うどんについて聞いてみました。

■男性
「やわめのうどんが好きですね。」

■男性
「やわらくて、コシがないのがおいしい。」

博多のうどんといえば、その“やわらかさ”に特徴があります。そんな伝統的な博多うどんを求めやってきたのは、昭和26年創業の『因幡うどん』です。

人気メニューは『ごぼう天うどん』(530円)で、あっさりしたスープにうどんがよく絡みます。

■遠野キャスター
「麺がもっちりしていて、やわらかいです。歯を使わなくても唇で切れそうなぐらい、それぐらいのやわらかさです。」

なぜやわらかいうどんにしているのか、お店に立ち続けて40年、看板にもその写真が使われる、まさに“看板娘”の森口由紀子店長に聞きました。

■因幡うどん渡辺通店・森口由紀子店長(81)
「おいしいダシにいかにすばやくうどんが溶け込む、絡むように工夫して麺をやわらかくしています。」

■遠野キャスター
「たしかにレンゲで飲まなくても、ダシの味を感じました。」

因幡うどんでは、ただやわらかいだけではなく、もちもちとした弾力を出すために『足踏み』も取り入れています。

博多のうどんのもう一つの特徴が、提供時間の早さです。注文からメニューが届くまでの時間を見てみました。

■来店客
「梅あおさうどんの大盛り。」
■店員
「あおさの大盛り1つです!」

■店員
「お待たせしました。」

提供までわずか約2分でした。

その秘密は、『ゆで置き』です。通常、うどんをゆでる場合は10分以上かかりますが、事前にゆでておけば注文が入ったらさっと湯がくだけです。ゆで置きすることで提供時間を短くできるうえ、麺が水分を含み、よりやわらかくなるといいます。

■森口店長
「もともと博多は商人の街だから、気短な人が多いから、うどんと言われたらすぐ出せるように、ゆで置きのうどんを。お客さんに対して待たせないのが一番。」

実はこの『ゆで置き』、博多を代表するもう一つの麺、『バリカタ』で知られるラーメンにも通ずる部分があるといいます。

製麺の業界団体がまとめた冊子には、うどんの『ゆで置き』について「ラーメンが魚河岸の人たちが競りの前に腹ごしらえとして食べられていたため、ゆで時間の短縮のために細麺になったのと同様の理論なわけだ」という一節が記されています。

より早く提供するという同じ目的から、博多ラーメンは『バリカタ』、博多のうどんは『やわやわ』と、正反対の麺が生まれたというのです。

うどんのやわらかさの秘密をさらに探るべく訪れたのは、福岡市博多区の『春月庵』です。うどんやそばの作り方を日本に広めたとされる聖一国師が開いた承天寺のすぐそばにある、地元の人を中心に人気のお店です。お昼どきには行列ができます。

■来店客
「麺の香りというか、やわらかい麺含めて好きで、よく来ています。」

■来店客
「すごくおいしいです。(うどんの)発祥のというところで知ってはいたんですが、伺う暇がなくて、きょう初めて。」

『春月庵』のうどんの麺を市販のものと比べてみると、茶色がかって見えます。

■春月庵を運営する平和フーズ工業・土屋伸之専務
「『中世博多うどん』といいまして。鎌倉時代初期から中世の時にこんなうどんを食べていたんだろうなというのを再現したのが、中世博多うどんです。」

『春月庵』は明治23年、1890年に創業した博多で最も古い製麺所が経営する店です。承天寺由来のうどんを再現しようと、麺にはいまでは取り除かれる胚芽や薄皮が含まれています。そのため、茶褐色の麺になるのです。もちろん、博多らしくやわらかく、もちもちとした食感に仕上げています。

博多のうどんのやわらかさについて、土屋専務は、“あるもの”が関係しているのではといいます。

■土屋専務
「水とかですかね。地域的な水の違いはあるのではと考えています。」

関係しているのは水の硬さです。水の硬さは1リットルあたりに含まれるカルシウムとマグネシウムの量で決まり、120ミリグラムを超えると硬水、60ミリグラムより少ないものは軟水です。

水道局によると、例えば北九州市は40~80ミリグラムと幅があります。一方、福岡市の場合は、市内全域で約40ミリグラムと水がやわらかいのです。

■土屋専務
「うどんは水がたくさん入りますし、湯がいても水を吸っていくので、水の影響は強いのではと思います。」

やわらかい博多のうどんは、人、そして土地が育んだものでした。



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2 سال پیش در تاریخ 1401/11/19 منتشر شده است.
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