「私たちが土砂に埋まらないと動かないのか…」目の前に土砂の山 おびえる女性【サタデーステーション】(2024年5月25日)

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421.5 هزار بار بازدید - 4 ماه پیش - 雑木林だった家の裏に突然土砂の山が現れた……。どんな事件が福島県で起きた。家との距離は数メートル。いつ崩れてつぶされてもおかしくない状態だ。ここだけではない。今、あちこちで土砂の投棄が進んでいる。まさに土砂の山をつくっている業者に接触することができた。返ってきたのは、驚きの言葉だった。(テレビ朝日「サタデーステーション」 “土砂投棄”取材班) 「うわあ、でかい」 車に乗って現地を訪れると、思わず声が出てしまった。福島県西郷(にしごう)村、JR東北新幹線の新白河駅から車で20分ほどの場所を訪れると、突然土の山が見えてきた。もっと驚いたのは、すぐ脇に住宅があったことだ。 「突然ダンプがやってきたのは、去年の7月終わり頃でした」。嫁いでから約40年、この住宅で暮らす児山美智子さん(65)はため息をつきながら話す。もともと、雑木林だった場所の気が切り倒され、そこにどんどん土砂が入れられる。「ショベルカーがどんどん積んでいって、山が高くなった」
雑木林だった家の裏に突然土砂の山が現れた……。どんな事件が福島県で起きた。家との距離は数メートル。いつ崩れてつぶされてもおかしくない状態だ。ここだけではない。今、あちこちで土砂の投棄が進んでいる。まさに土砂の山をつくっている業者に接触することができた。返ってきたのは、驚きの言葉だった。(テレビ朝日「サタデーステーション」 “土砂投棄”取材班) 「うわあ、でかい」 車に乗って現地を訪れると、思わず声が出てしまった。福島県西郷(にしごう)村、JR東北新幹線の新白河駅から車で20分ほどの場所を訪れると、突然土の山が見えてきた。もっと驚いたのは、すぐ脇に住宅があったことだ。 「突然ダンプがやってきたのは、去年の7月終わり頃でした」。嫁いでから約40年、この住宅で暮らす児山美智子さん(65)はため息をつきながら話す。もともと、雑木林だった場所の気が切り倒され、そこにどんどん土砂が入れられる。「ショベルカーがどんどん積んでいって、山が高くなった」 おかしい、と思ったのはその作業の時間だ。ダンプが来るのは毎晩午後10時から翌朝午前8時ごろまで。「すんごい音です。ダダダダダっていう落とす音と、バンバンバンバンって落とす。その音がひどくて寝られなかった」 一方、日中はほとんど来なかった。「何かやましいことがあるから日が出ているときにできないのでは」。児山さんはそう考えたという。 作業は進み、山はどんどん高くなる。あっという間に児山さんの家の高さを超えた。 「何か言いたかったけれど、相手がどんな人間かわからないから怖くて……」。 雨が降ったり、地震が起きると積みあがった土砂にヒビが入ったこともあった。 毎日感じているのは、土砂崩壊の“恐怖”だ。梅雨のシーズンに入ると土砂崩れが起こるかもしれないと心配している。 西郷村や福島県、警察にも「何とかして」と訴えたが「取り締まる法律がない」などとして取り合ってもらえなかった。実は、すぐ近くに警察の駐在所もある。しかし、ダンプを止めることはできなかった。 作業は12月まで続いた。山の斜面にはひび割れも見えた。「地震でも雨でも、何かあれば崩れてしまう」。児山さんの不安は募った。 ■動かない土砂 「私たちが埋まらないと…」 事態が動いたのは12月だった。福島県の三村博隆県議が議会で取り上げた。「住民が崩落の危険を訴えている。一刻も早い安全確保が必要だ」。 メディアが報じ、問題が大きくなると、12月に村が土砂の投棄を規制する条例を作った。これが影響したのか、児山さんの裏の土砂の搬入は、止まったという。 だが、残されたのは30、40メートルある土砂の山。ひとたび崩れれば、2階建ての児山さんの自宅などひとたまりもない。 「もし崩れたらどうするのか」  児山さんの訴えに、村は、土砂崩れが起きた時のための避難所まで用意した。  家賃は村持ちだが、使わなくても電気代やガス代は引かれていく。「二重生活をしているようで、何かあったときの保険ではあるけれど……」と声を落とす。  本当に児山さんを救うことはできなかったのか。  実は、2021年7月に起きた静岡県熱海市の土砂崩れをきっかけに、「盛土規制法」という法律ができた。不正に土砂を積み上げたら罰せられるというものだ。  しかし、児山さんの自宅裏の土砂には、使えなかった。実はこの法律、土砂を盛る「制限区域」を指定しなければいけない。福島県内では区域の指定がされていなかった。  県は慌てて条例を作ったり区域指定をしたりしたが、4月になっても5月になっても土砂は動かない。  児山さんは言う。 「この家がね、半分潰れてとか私たちが夜間ここにいて埋まっちゃったなんてなんないとことは動かないのかなって。なんでここだったんですかって」 ■「お前がそんなこという権利はないんだよ!」投棄現場で迫られた 不正な土砂の投棄はあちこちで起きている。  そんな中、「1年余りで4カ所土砂を盛られた場所がある」という情報を得た。  向かったのは栃木県宇都宮市。郊外に「板戸町」という人口1千人の地区がある。  半径1キロほどの場所に次々と土砂が投棄されたという。  地元の人に話を聴いた。 「とにかく見てほしい。驚くよ」  連れて行ってもらったのは、20メートルはあるとみられる山。すべて土砂だ。毎日毎日ダンプが土砂を落としていったという。  「わしの顔を覚えていたらしくてな。この現場に来ると、ショベルカーが向かってきてい隠してくるわけよ」  山が積みあがると、次は少し離れた幹線道路沿いに土砂が積みあがり始めた。男性ら地元の人が市や警察にかけあい、ここに土砂を搬入した男ら2人が逮捕された。  だが、また別の場所が狙われた。  「まだやっているところがあるよ」  そんな情報を得て、私たちは教えられた場所に向かった。幹線道路に近いのだが、林に囲まれ、周りからは見えにくい。車を恐る恐る走らせると、土砂の山の上で動くショベルカーが見えた。  「動いてる、動いてる」  私は思わずこぼしてしまった。土砂投棄の現場を見られるか確信を持てなかったので、現場に近づくにつれて動悸が高まった。  よく見ると、現場に作業服を着て名札を付けた人たちがいる。よく見ると、作業着には「宇都宮市」と書いてある。市役所の職員だった。後で聞くと、土砂投棄のパトロール中だった。  市職員と話しているのは、ショベルカーを運転している男性だった。撮影しながら近づくと、「入るな」「近づくな」と言われた。  「土地所有者の許可はとっているんですか」  思わず尋ねてしまった。  すると「入るな」「映すな」と大声でいう。  取材自体は市道からしていたので、問題はないはずだ。  すると、別の男性があるいて近づいてきた。 Q「土地所有者の許可はとって?」 A「所有者もくそもあなた関係ないだろうが!」 Q「許可は取られているんでしょうか」 A「とってるからやってんの」 A「お前がそんなこという権利はないんだよ」  相手は興奮して迫ってくる。別の男性は私を抱えるようにして引き離す。  男性は言った。 「俺は柔道四段。今ここでしめようと思えばしめられるから」 最後は市の職員が間に入り、事なきを得た。  本当に土地所有者から了解を得ているのか。私たちは情報をたどって栃木県内にこの土地の所有者がいることを突き止めた。すると……。 「全然そんなことないです。不法投棄しているんじゃないかと思います」 「悔しいですね。業者を摘発していただきたいですね」 70代の女性は絞り出すような声で話した。やはり、了解など得ていない。  福島でも栃木でも、住民の意思とは別にどんどんと土砂が積み上げられていった。  なんでこんなことが起きるのか。  調べてみると、ルールに抜け穴があることがわかった。  建設などで出る土砂は、年間3億立方メートルもある。東京ドーム242杯になる。  8割くらいは埋め立てや別の工事現場で再利用されるが、約6千立方メートル、東京ドーム47杯分は、再利用されず、処理される。だが、どこでどう処理されているのか、国などはきちんと確認していない。  国土交通省に取材した。  「発注者(ゼネコンなど元請け業者)が示す処理計画をもとに処理されたと考えている」  つまり、発注者が「こうやって処理します」と言えばそのまま信じ、原則、確認などはしていないという。これでは、いい加減な発注者が違法投棄に回していてもわからないのではないか。 ■6月からルールが厳しくでも 「チェック方法はこれから決めます」(国交省) さらに、重要な証言を得た。現役のダンプドライバー。「今は積もうと思えば土砂なんていくらでもある。でも、おろすところがないんです」  この男性ドライバーによると、都心の大規模工事などで大量の土砂が発生しているが、最終処分場は満杯になりつつあり、「どこにも運べない」という。  「でも、お金が欲しい業者は、『処分場にもっていく』とうそをつき、適当なところに捨てて代金だけもらっている」と話す。「自分はそういうことはしたことがない」という。  処分しなければ土砂の処分場がない?  改めて国交省にきいてみた。  「全国にどのくらいの処分のキャパシティー(容量)があるか、国は把握できていない」  処分場が足りていないという現状も、国はわかっていないという。これでは、チェックなどできるはずもない。  6月から、元請け業者が最終処分まではっきり確認することを義務化するルールができる。だが、それをどうチェックするのか。国交省は「方法は今後決める」とだけ答えた。結局、あいまいなままだ。  児山さんや宇都宮市の住民は、身の危険すら感じながら生活している。それを知って、あいまいなルールを続けるのか。これからも現場の声を聴きながら取材を続けたいと思った。 (テレビ朝日 サタデーステーションディレクター 染田屋竜太) [テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/
4 ماه پیش در تاریخ 1403/03/06 منتشر شده است.
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