札幌・円山動物園の新たな挑戦 オランウータンの森で来場者はスコールも体感「動植物に教わりながら手入れをして、50年後が一番よく」

HBCニュース 北海道放送
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7.9 هزار بار بازدید - 4 ماه پیش - 札幌市円山動物園に、この春、新しい注目施設が誕生します。 完成までの3年の日々にHBCのカメラが独占密着しました。 降り注ぐスコール。傘をさすここは、建物の中です。 外の気温は、マイナス5度。 でも、一歩中に入ると20度の気温に、湿度は99%! 
札幌市円山動物園に、この春、新しい注目施設が誕生します。
 完成までの3年の日々にHBCのカメラが独占密着しました。

 降り注ぐスコール。傘をさすここは、建物の中です。

 外の気温は、マイナス5度。
 でも、一歩中に入ると20度の気温に、湿度は99%!

 春のオープンを控えた、その名も「オランウータンとボルネオの森」。

 ここは、動物園なのに、動物が見づらい!?新施設。
 動物園が「使命」だと話す、意味と思いがあります。

 2021年7月。
 オランウータンのお母さん・レンボーと、当時まだ1歳のレンボーの子・レイトです。

 この日は、住み慣れた場所からのお引越し。
 行き先は、お客さんからは見えない、動物病院です。

 建設から50年が経過した類人猿館の建て替えが始まろうとしていました。

札幌市円山動物園加藤修園長(当時)
「オランウータンは、もともと木の上で暮らす動物だから、高さが絶対的に足りない」

 オランウータンという呼び名の意味は、「森の人」。
 その名の通り、本来生活の多くを木の上で過ごす動物です。

 だけど、お母さんのレンボー、地面を歩くのがとっても上手…

札幌市円山動物園 李泳斉飼育員
「私たちもふくめて哺乳類は、非常に環境適応度が高くて、ある程度環境に幅があっても適応して、我慢して生きているというのが続いていた」

 札幌市ではおととし、「動物園条例」が全国で初めて制定。
 動物が、ただ飼育下で生きながられるのではなく、本来の姿で過ごしていけるように、「動物福祉の向上」を全面に掲げています。
 オランウータンが暮らす新しい施設は、この条例ができてから初めて作られる場所。

 去年5月、HBCのカメラだけが初めて工事途中の施設に入りました。
 木の上で暮らすオランウータンが本来の動きができるよう、天井を高くして空間を確保。
 その高さを支える柱に、ある作業が施されていました。

 阿吽の呼吸で仕上げられていく「木の幹」。
 お客さんとオランウータンから見られるすべてが、質感までしっかりと木そのものに生まれ変わります。
 まさに職人技です。

 工事が進む中、2度の冬を越え、動物病院での生活を続けていたレンボーとレイト。
 ストレスを抱え、体調が不安定になることもありましたが、建物の完成が近づくにつれ、元気になってきていました。
 特に3歳になったレイトは遊びたい盛りです。

 そのころ新施設では、お客さんが実際に歩くエリアの工事が進んでいました。
 目指すのはオランウータンが暮らすふるさと・東南アジアのボルネオ島の森を完全に再現すること。

岡三リビック・大川浩さん
「模型を見ながら、共通の認識で『ボルネオ』というイメージを職人たちとつくりながら」

岡三リビック・椎木絢菜デザイナー
「図面上の細かい寸法では表現しきれない部分があるので、模型がすべて」

 平面図からは見えてこないリアルな姿を、ミリ単位のこだわりで形にしていきます。
 職人たちが、数か月をかけて作った、この場所が今度は森になっていきます。

札幌市円山動物園 李泳斉飼育員
「実際にボルネオ島に生息する植物を入れた瞬間、息吹が、一気に建物に命が入った」

 注目なのは、その植えられ方。
 動物たちが入る檻の前に葉っぱが生い茂り、中がよく見えません。

札幌市円山動物園 李泳斉飼育員
「動物の中に人が入っていく形になっているので」

 ここはもう、動物を見る施設ではなく、その環境まるごとを全身で体感できる場所。
 東南アジアの森に誘われると、そこは湿度90%を超える熱帯の世界です。
 お客さんがいるときでも、屋内にスコールが降り注ぎます。
 飼育員さんの作業にも変化をもたらします。
 オランウータンではなく、植物の世話に精を出す、李さんの姿が。

札幌市円山動物園 李泳斉飼育員
「大変さは感じていない。ずっとここにいたい。屋内空間でボルネオに生息する植物がしっかりと育成する環境を整えるっていうことは、すなわちオランウータンがより良い快適な空間で過ごすことに直結する」

 そして、雪景色になった去年12月下旬。

札幌市円山動物園 李泳斉飼育員
「わかってるんです。本当にわかっている。『ここ(動物病院)から出られるんだって』そこから実は表情が違う」

 最初に入ったのは、お客さんからは見えない、寝床や健康チェックをする場所「バックヤード」。

札幌市円山動物園 李泳斉飼育員
「バックヤードにまで、この施設は福祉に配慮して取り組んでいる。なるべく前の獣舎に構造含めて壁の色まで似せている。早く慣れるようにストレスがかからないようにしている」

 そしてついに、バックヤードのドアが開く日がやってきました。
 地面を歩くのが上手だったレンボーが、上空をつたい大きな動きを見せます。
 まさに「森の人」、オランウータン。
 工事に携わった関係者、飼育員、獣医師、たくさんのスタッフが、8メートルの上空を見上げ、木をかきわけるようにその姿を追います。
 円山動物園が、動物たちと向き合ってきた70年以上の歴史。
 この新施設には、その答えがつまっています。

札幌市円山動物園 李泳斉飼育員
「一番重要なのは、動物とともに成熟していく施設。人間が作った時点が100じゃなくて0。動植物に教わりながら手入れをして、中身は50年後がいちばんよくしていくように私たちは取り組んでいく」

 熱帯のボルネオの森が育ち、「森の人」が暮らす場所。
 北海道の地で、まるごと体感できる日まであと少しです。2024年03月01日(金) 18時09分 更新

#北海道 #ニュース #HBC

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4 ماه پیش در تاریخ 1402/12/11 منتشر شده است.
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