（14分50秒）注射器の基本的な扱い方

注射器の基本的な扱い方. 看護学生, 新人看護師対象：看護学生実習や看護師になれば注射器を扱う必要性が生じます. 今回は①スリップタイプの注射器の注射筒から注射針の外し方と注射針から注射針キャップの外し方, ②注射器でバイアルからの薬液の吸い方, ③注射筒内の空気抜きの仕方およびそのタイミング、そして最後に④リキャップの安全な仕方についてお話しします. まず, 注射器にセットされたキャップがついたままの注射針を筒先から外す場合は, まわして引っ張れば外れます. 引っ張るだけだと注射針からキャップが外れます. その原理を解説します. また, ゴム栓のついたバイアルから薬液を吸うときは, コアリングに注意しながら穿刺する必要があります. コアリングとは, 注射針をゴム栓に刺すとき, 針のあご部でゴム栓が削り取られることで削り取られたゴム片が薬液内に混入する現象を言います. 体内に粒子状物質が入ることで肺塞栓や脳塞栓などの原因となり死亡する危険性が示唆されています. コアリングを予防するための穿刺方として, 後藤らにより①ゴム栓の指定場所（ない場合は中央付近）を穿刺する. ②なるべく細い針を使用（22G以下）する. ③ゆっくりと穿刺（1秒ほど）する. ④まっすぐに穿刺する. ⑤針を複数回穿刺する場合は場所を変えて穿刺する. ⑥刃面角のなだらかな針を使用する（引用文献は動画内で表示）などが提唱されております. バイアルから薬液を吸う際に, 薬液が粘調な場合は先に空気を吸い過ぎますと, かなりプランジャーを引かないと薬液が吸えなくなり, 薬液が汚染する可能性も出てきます. 太い針で薬液を吸い, 細い針に付け替えてから使用するのが一般的ですが, スリップタイプの注射器では, 注射器内に混入した空気を抜くタイミングは,使用する針に付け替えてからした方が筒先に薬液が付着し難く, 注入時に接続部から薬液が漏れ出る可能性が低くなります. 最後に安全なリキャップの仕方ですが, 片手で行うやり方と両手で行うやり方の2つを紹介しましたので針刺し事故防止のために役立てて欲しいと思います。注射針キャップを含めたプロテクターは一般的には透明ですので目視だけでは不十分で, 針先を左右に動かしてキャップ内に注射針が入ったのを確認できるまで, 針先を手にむやみに近づけないことが大切です.

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